10月の例会はラストについての勉強会

10月6日の例会は、“モデルクラブふじもと”の藤本良一さんを講師に、ラストについての勉強会。
ラストと共に生きてきた藤本さんならでは、ラストの種類や作り方といった基礎的な知識からアルミラスト業界の現状、今後の靴業界の展望と危惧などたくさんの愛着のある貴重なお話を伺いました。
本来なら重いはずのアルミラストを軽量にしたのは誰?
こんなにすごい!アルミラストの作り方。
完璧なラストに仕上げるには、ここに秘訣が。
等々、ここでしか聞けないお話がいっぱいでした。
専門分野をそれぞれ持っている会員が講師となる勉強会、今後も開催して行きます。( 渡辺 )

第30回日本靴医学会

2016年9月23日(金)・24(土)、京都のメルパルク京都で開催、参加してきました。
当会の会員では上田恵子さんが、「幼児の脚形態(外反膝・内反膝)の発育変化に関する横断的検討」の題で発表しました。1歳から6歳までの乳幼児の合計888名を対象に調査し、幼児の脚形態の成長にともなう変化を研究したものです。
今回の学会でも“子どもの足と靴”に対して関心が深く、和田郁雄先生のランチョンセミナー「子どものあし(足、脚)の障害と靴・装具の効用、限界」や北 純先生の講演「小児の足と靴」等々。勉強させていただきました。( 渡辺 )

第29回日本靴医学会

2015年11月21日(土)・22日(日)、名古屋のウインクあいちで開催されました。
子どもの足と靴を考える会では、代表して上田恵子さんが「幼児の足型計測方法の違いによる計測値の検討」を発表しました。
当会では2016年6月から、従来の計測方法の直接計測、間接計測に機械計測を加えて複数の計測方法で定期的に幼児の足の計測を行っています。
今回の発表はこうした計測のデータをもとに、計測方法による計測値を比較検討したものです。( 渡辺 )

*繊維製品消費科学会でポスター発表しました

6月27日から2日間、長野県上田市信州大学繊維学部で開催された、繊維製品消費科学会の年次大会でポスター発表しました。

近年足の計測方法は、従来の「手計測」に加えて、器械計測がされるようになっています。
消費者として、靴のサイズ選びの参考にしたいのですが、器械計測で行ってもJISのサイズに当てはめた時に手計測の結果と同じサイズになるのかどうか?
との疑問点から、当会が保育園で計測している幼児のデータから当てはめて分析した結果を示しています。
会場でも、「幼児もやはり計測が必要なのでしょうか?」「手計測の測定器具について知りたい」など、大勢の先生方に見ていただくことができました。
個人個人の関心から、色んなご質問やご意見をいただくことができました。
これは口頭発表とは違った良さですね。

大会のポスターの規程どおりの大きさに作成しましたので、縦長になっています。(文責 柴田)

第28回日本靴医学会                                 

2014年9月26日・27日福岡市天神の都久志会館で開催されました。
今回、子どもの足と靴を考える会では「保育園児の足の成長について」と題して発表しました。
内容は1998年から実施している「保育園」で成長速度は季節でどう変わるかを調べたその結果です。
6月,9月,12月,3月と1年に4回計測をしました。
結果は春から夏の方が,秋から冬よりも成長が顕著であるということが分かりました。
2004年の計測で分かったのですが,さらに2005年,2006年,2013年から2014年にも計測して,さらに科学的に分析をしました。(文と写真;柴田)


*1

*1:会場2での上田さんの発表です

荻原一輝先生を 偲んで                       大野貞枝                                         

      

 2014年2月2日、86歳で荻原一輝先生が逝去されました。2012年の「子どもの足と靴を考える会」の忘年会では、早くから車椅子ながら満面の笑みで出席してくださいましたが、急に腰の調子が悪くなられて会が始まる前に退席されました。それ以後闘病されておられましたが、これまで数々の病気を克服されていたので、きっとまた回復されるものと信じておりましたが、連絡が途絶えがちになり案じていましたところへ訃報をいただき喪失感に襲われました。
 神戸聖ミカエル教会でとりおこなわれたご葬儀で 喪主の荻原みさき病院院長であるご子息が「鶴の一声の最後の世代」であったとご挨拶されました。葬儀に参列した帰り、古くからの会員の木下洋子さんと「言い得て妙」だと話したことでした。私は2年くらい先生の診察に立ち会わせていただいたことがあり、その時の看護士さんへの厳しい指導ぶりには驚いたことでした。先生のお好きな賛美歌は第412番だったということで葬送式次第の裏に 歌詞が印刷されていました。「一輝会」理事長であられた先生らしい勇ましいものです。 
「たてよ いざ 立て 主のつわもの
 見ずや みはたのひるがえるを
 すべての あたをほろぼすまで
 きみは さきだち ゆかせたまわん 」
  
院長はご挨拶のなかで勉強をよくされた先生の日常もお話されました。そういえば交通の便が良いマンションへ移られる前、高台の独立住宅にお住まいの頃、食事のあとは必ず「そろそろ上(二階)へ上がります。」と書斎へ向かわれ、2階がないマンションに移られてからもその言葉がつい出ていると奥様が話されていました。また「若い頃、本当に勉強しているのかしらとそっと覗いたことがあるんですのよ。でもちゃんとしていましたのよ。」と茶目っ気たっぷりに話されたことを思い出しました。長く続いていた習慣のようで、それらの知識の蓄積がもたらすものか世間一般の常識にはとらわれない発想の持ち主でもありました。
 当会が拙いながらも子どもの足の成長について情報発信を続けられてきたことも、先生の度量の広さに依るところが大きかったと感謝し、今後とも活動を継続していくことが先生へのご供養になると会員一同考えております。 長くなりますので 当会の歴史については他の会員におまかせすることにし、以上を荻原先生の追悼の文とさせていただきます。

HPを中国語と英語で翻訳しました

「子どもの足と靴を考える会」のHPの主要な部分を会員の梶野眞人さんが
中国語と英語に翻訳してくださいました。新たにHPを開設して中国語圏、英語圏の人々にも発信していきましょう。 仲間も梶野さんの語学力がこれほどまでとは知らなくて(失礼! m(_ _)m )嬉しいサプライズ!


子どもの足と靴を考える会


子供の足と靴を考える会
Association for Study of Children's Feet and Shoes
儿童健康鞋协会

子どもの足と靴のこと  About Children's Feet and Shoes 关于儿童脚和鞋
                    

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赤ちゃんは、未完成の足で生まれてきます。まだ骨になっていない軟骨の足を、ふんわりしたマシュマロのような脂肪で守っています。骨が成長してしっかりした大人の足になるのは12〜13才。指をまっすぐ伸ばせる靴で、子どもの足の健やかな成長を見守りましょう。

When babies are born, their feet are still not completely formed. In their feet, cartilage that has yet to become bone is covered and protected by soft, marshmallow-like fat. The bones will be complete, and adult feet will be formed, when the child is 12 to 13 years old.
Watch over a healthily growing child by providing them shoes in which their toes can freely extend.

婴儿出生时脚还没有定形,其软骨被象棉花糖一样的脂肪保护着。
随着骨头的成长变得和成人一样的时期是十二、三岁。应该穿便于脚趾能伸展而成长的鞋。

子どもの足と靴を考える会について


About the Association for the Consideration of Children's Feet and Shoes
关于”儿童健康鞋协会”

子どもの足と靴を考える会は、「子どもの靴を考えるためには、まず子供の足を知る必要がある」という議論の中から、その研究を目的に約25年前に発足しました。整形外科医、靴の製造や販売に関わる各分野の専門家、大学や兵庫県立の研究所職員などの会員により、
子どもの足を計測し、成長状態を調査してきました。

“When thinking about children's shoes, first, it is necessary to understand children's feet.” This idea led us to the establishment of the Association 25 years ago.
Orthopedists, shoe makers, shoe retailers, university professors, and Hyogo Prefecture lab researchers have measured and investigated the growth of children's feet.

“儿童健康鞋协会“为了研究儿童鞋,首先要了解儿童的脚,从这观点出发二十五年前开始为此成立了。协会是整形外科医师,制造和销售鞋的专家,大学学者和兵库县立研究所职员组成的,观察、测定儿童脚的调查成长状态。

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上履き用の靴は、幼稚園や学校で長時間履かれていながら、
機能が最も省みられてこなかった履物です。
このたび会の長年の研究成果をもとにその改良を提案し、
子どもの足の健全な発育をサポートする「歩育シューズ」が完成しました。
外履きにも広く利用していただけます。ぜひ、お試しください。

The functionality of shoes for indoor use, such as kindergarten or school shoes worn for a long period of time, has in the past not been deeply considered.
Following the results of long years of research, improvements were proposed, and shoes that supported the sound development of children's feet - "Hoiku Shoes" - were completed. The shoes can even be utilized outdoors. We urge you to try them for yourself.

日本幼儿园和学校室内用鞋虽然穿着很长时间,但是没考虑过其机能。
这次通过长期观测和研究,研制了帮助儿童发育成长的鞋即”步育鞋”。
室外也可以穿,请大家来感受一下!

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子どものあしと靴を考える3つのポイント

There are three major points of consideration in regards to the feet and shoes of children.

考虑儿童脚和鞋的三大关键

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.1子どもの足は、成人を小さくしたものではない!


足の骨は最初は軟骨で形が出来ています。その中にカルシウムが沈着して成人の足になります。
これは6ヶ月、4才、成人のX線のスケッチです。
子どもの足は、骨と骨の間は軟骨で埋まっており、すき間があいているかのように見えます。
全体が骨になるには思春期までかかります。きゅうくつな靴で変形させないように注意しましょう。

1 Children's feet aren't miniature versions of adult feet!
At first, the bones of the feet consist of cartilage. Calcium accumulates in them until adult feet are fully formed. These are illustrations of X-ray photos of a 6-month-old, a 4-year-old, and an adult.
The areas between bones seem empty, but are actually filled with cartilage.
Osteogenesis, or the completion of the bone structure, finishes in adolescence.
In order to protect against deformation, don’t let your kids wear inappropriate shoes.

1.儿童脚不是把成人的缩小而已
脚的骨头最初是软骨,但形状已确定。软骨中钙沉积变成了成人的脚。
这是6个月,4岁,成人的X光照片的图解。
儿童的骨头和骨头之间有软骨,但好像有空间似的。
完全骨化需要到青春期。请注意不要给孩子们穿过紧的鞋,会造成变形!

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2.靴内の余裕は どれくらいある?


子どもの足は、毎日伸びています。足を入れて、靴先に5ミリは必要。
ところが、半数近くの子どもが余裕のない靴を履いています。
これでは、つま先をいためる心配があります。
かかとを靴にぴったりあわせ、足指の先を押さえてみましょう。
指がつまっていませんか?指を曲げていませんか?

2. How much toe leeway in shoes?
Infant feet grow daily. When feet are placed in a shoe, at least 5 millimeters is needed in the front for the toes; however, nearly half of all children wear shoes that are overly tight. This could potentially damage the toes.
Push the child's heels against the back part of their shoes, and apply fingertip pressure to the toes.
Is there some allowance in the front for the child's toes? Are the toes bent?

2鞋里的空隙有多少?
儿童的脚每天都在成长,脚趾前需要至少5毫米的空隙。
但是,一半的儿童穿着没空隙的鞋,会有让趾尖伤害的危险。
让脚跟部紧贴鞋后边,按按看鞋尖,趾尖挤不挤,脚趾有没有弯曲?

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3.足のサイズは、春から夏にかけて大きく伸びている。


春から夏にかけて草花が伸びるように、子どもの足も3月から9月にかけて大きく成長します。
夏休みが終わったら、靴が小さくなっていないか調べてみましょう。
足指にプレッシャーがかからない、ゆったりとした靴先の形、かかと廻りがしっかりして足首をサポートする靴を選びましょう。

3. Children's feet grow rapidly from spring to autumn.
Children's feet grow rapidly from March to September, in the same manner as spring-to-summer growth in plants.
At the end of their summer holiday, check to see whether your child’s shoes are overly tight. When choosing your child's shoes, be mindful that the toe shape is wide enough to keep it free from pressure, and that, in order to support the child's ankles, the area around the heel is steady and firm.

3脚的尺寸从春天秋天成长得较快
春天秋天好像花草成长一样,儿童脚从三月到九月成长得较快。
暑假结束时候,查一下鞋的尺寸还合适不合适。
请选择 对趾尖没有压力,宽松舒适,而且较硬的鞋后跟及周围可以保护脚脖子的鞋。

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子どもの足にやさしい靴をつくりました
子どもの足と靴を考える会の提案で靴ができました。
サイズは13.0〜21.0で、13.0のつぎは13.5というふうに 5ミリ間隔です。

We have developed comfortable shoes for children
The suggestions of the “Association for the Consideration of Children's Feet and Shoes” have led to the production of a new concept in children's shoes. The size range is from 13.0 to 21.0 centimeters; size increases are in 5 millimeter intervals.

开发了让儿童脚感到舒适的鞋
由”儿童健康鞋协会”的提案开发了新的鞋
尺寸是13.0到21.0,13.0其次是13.5,其间每隔0.5有个尺寸。

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歩育シューズの特長
靴は本来、足を守り、動きを補助する道具です。
長時間履く、靴だから、基本機能を整えて、
足にやさしい靴に仕上げました。

Features of Hoiku Shoes
Shoes are basically devices that help to protect feet, and support their movement.
When wearing them for long periods of time, shoes should provide basic functionality and comfort.

步育鞋的特点
鞋本来是保护脚,帮助行走的工具。
因为穿的时间很长,由此开发了具有基本功能而舒适的鞋。



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足の甲を抑える構造+マジックテープで、足が前にずれ込みにくい

To prevent the feet from slipping forward, the shoe shape and Velcro hold the instep.

因为有保护脚背的构造加上尼龙带扣防止滑动,所以可避免趾尖受伤。

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しっかりとした堅いかかと部で 安定して踏み出せます。→足のぐらつきを防止

To stabilize the child's steps, make the back part of the shoes firm and steady.

较硬的鞋后跟步行时安定,开始迈步时也防止脚在鞋内滑动。

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ゆったりとした靴先の形なので足の指が自由に動く。→足指の変形防止

To prevent toe deformation in children, a wide-shaped shoe toe helps keep the movement of the toes free.

因为有宽松舒适的鞋尖,所以趾尖可自由活动,防止了脚趾的变形。
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靴底がしなやかに曲がり足の動きをサポートします。→スムーズな歩行

A flexible sole that supports the child's movement allows for smooth walking.

鞋底柔软可弯曲帮助脚的动作,有利于步行。

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正しいはき方をマスターしよう
Learn proper fitting manners.
学会正确的穿鞋方法


1ベルトをゆるめてしっかり足を入れて
1Loosen the strap, and put the foot in the shoe tightly and completely.
1松开鞋带把脚完全穿进去

2かかとをトントン後ろをぴったり
2Knock the heel on the ground to set the foot in the proper position.
2用鞋后跟敲打一下地面

3ベルトをぎゅっと引っ張って
3Pull the strap tightly.
3拉好鞋带

4テープをおさえてできあがり!
4Fasten the Velcro, and it’s all done!
4.把尼龙带扣按一下就可以了!